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縮んでいるスジを伸ばす 2

元記事:アメブロ2017-12-10 11:10:46

 うどんや蕎麦を麺棒で伸す(のす)ように,麺棒をスジに押しつけながら動かすと,大変痛いです。繰り返すと炎症を起こす恐れがあります。スジが伸びる訳でもないので,お勧めできません。
 スジを挟んで錐揉みするように動かすことが出来る部位は無いですし,球は,粘土に喩えられるようなものでもありません。
 縮んだ運動神経筋を伸ばす時,「球を外す」,「球を起こす」,「削ぐように」,「浮かす」などの表現をするのですが,どの場合も,スジを走行方向に対して横方向に動かすという点で共通しています。横方向に動かす事で,球やスジによる血管の圧迫が取れて血流が回復し,膠着が緩むと考えられます。そして,スジが伸びます。
 施術中にスジが伸びた感触があるのですが,肉が柔らかくなって,スジの輪郭を感じ取りやすくなります。スジの緊張が低下し,球として感じていたモノは,小さくなります。

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縮んでいるスジを伸ばす

元記事:アメブロ2017-12-09 15:56:02

 スジを伸ばすと聞いてどんなことを想像されるでしょうか。
 引っ張る、他動的ストレッチング、うどんや蕎麦を麺棒で伸す(のす)ようなイメージ、あるいは、粘土を両手で挟んで錐揉みするイメージかもしれませんね。

 以前、スジは、紐がたぐり寄せられるように縮んで球を作ると書きました(「四本のスジが全身に延びている」(2017-11-07))。紐の一部が絡んで玉になっているとき、上記のような方法で元に戻そうとしても上手く行きません。それどころか、強く引っ張れば、絡んだ部分は余計に固く結ばれてしまって、解けなくなる事もあります。
 整形外科で行なわれる牽引療法は、目的に反してスジを硬くしてしまい、症状をこじらせる恐れがあると思います。
「引っ張ってもらっている時は、気持ち良かったんですけど、一時的で‥。だんだん、症状が酷くなってきました。」
と仰る方を大勢診てきました。
「引っ張ってもらったら、気持ち悪くなったので、止めました。」
という方には、
「良かったですね。我慢して引っ張り続けていたら、大変なことになったかもしれません。」
とお話ししています。

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施術手技を学ぶ 7)深部のスジを探る

元記事:アメブロ2017-12-08 08:09:38

 スジの感触が分かって,治療効果が確かめられるようになったら,深部のスジを探る段階になります。きょうは,そんな人たちを対象にして,スジの場所を知る具体的な方法を説明するという想定で書きます。

 浅層のスジを緩めることが出来たら,スジの周辺が柔らかくなったことを感じていますね。そしたら,今緩んだスジを横へ除けると同時に,その柔らかくなった奥の方へ親指を入れます。そのとき,親指が骨に当たったと感じたら,今除けたスジが最も深層のものです。骨に当たる感触がなければ,その層を緩めます。スジの輪郭が分かる様になったら,横へ除けて,指を奥へ進めます。これを親指が骨に至るまで繰り返せば良いのです。
 以上のことを股関節周りや肩関節周りで行なっているうちに,スジの立体地図のイメージが出来てくると思います。簡単ではありませんので根気よく続けて下さい。要になるのは「弛め(たるめ)」です。「弛め」については,後日。

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施術手技を学ぶ 6)どこから見るか

元記事:アメブロ2017-12-07 07:50:57

 京都の講習会で撮影された動画が,手元にあります。十年近く前,知人から頂いたものです。宮原先生の公開治療と,別室での治療の様子が収められています。

 この施術ビデオを見て,宮原先生の手技を真似ようとしたとき,自分の手はビデオ映像と逆向きになるので苦労しました。

 わたしは,宮原先生による公開治療のとき,先生が施術中に話される言葉をマイクで拾う係を任されていました。先生にも受講者にも邪魔にならないように,身を低くして先生の斜め後からマイクを差し出していましたから,誰よりも近い場所で,しかも先生の視線に近い角度で治療手技を見ることができました。

 手技を盗むなら,後からが良いと思います。

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施術手技を学ぶ 5)基本は,見習い

元記事:アメブロ2017/12/05

 新日本延命学の施術手技を学ぶには,施術経験を積んだ先達から指導を受けることが望ましいですが,基本はやはり,先達の施術を注意深く観察して,自分の頭で考え,実際に試してみる事の繰り返しです。現在,新日本延命学施術を行なっている人たちは,皆さんそうしてこられたはずです。先達を遡ると,創始者の宮原先生に行き着きますが,宮原先生は,誰にも施術技法を伝授されなかったのですから。
 先達の施術を見るということは,単にその手技を見るだけでなく,患者の身体変化を視覚,触覚,温度感覚を使って観察し,患者の言葉に耳を澄まして心理の変化にも注意を払うことを意味すると思います。
 わたしは,宮原,富川両先生の何を見て(見習って)きたのか,振り返ってご紹介したいと思います。

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施術手技を学ぶ 4

元記事:アメブロ2017-12-05 08:34:22

 スジの「感触の立体地図」を作るつもりで,自分自身や友達などの身体を探りながら,解剖学書が参考にならない理由を考えていました。生身の身体を探っている時の感触と,書籍の図や写真から想像される感触が,合わないのは何故なのか。

 随分後になって,解剖学書の詳細なスケッチや写真は,解説のために邪魔になる器官や組織が取り除かれていること等に気付きました。何よりも,温かい血液が流れている生身の身体では,筋肉や脂肪などの組織が柔らかいので,その輪郭を感じ取ることが難しくなることに思い至ったのでした。

 自分の感触で得たスジの立体イメージと,解剖学書から受けるイメージのギャップに慣れてくると,施術手技を学ぶために解剖学書を役立てることが出来るようになり,図や写真の有り難さも感じられるようになりました。最近は,勉強会の時に,精巧な骨格ペーパークラフトを使っています。

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施術手技を学ぶ 3

元記事:アメブロ2017-12-04 14:09:15

 自分の太腿などを使っての手技練習では,遠慮無く力が掛けられ,施術に必要な力が付いたり,自分の足腰が楽になるので,良い方法なのですが,他人に施術するときとは勝手が逆になってしまいます。

 高校時代に,友達に新日本延命学を紹介していた(と言うより,驚かせて自慢していた?)のですが,他人の身体でスジを探ることが出来る数少ない機会でした。高校卒業後は,講習会のスタッフ同士での練習が,貴重な時間でした。講習会とは別の日に,富川先生の施術所で指導を受けながらでしたから。

 ひとりが,富川先生から,ある部位の施術を受けます。その直後に,同じ部位の施術をさせてもらって,スジの場所や動かし方が先生と同じかどうか,施術を受けた人に教えてもらうという方法でした。

「技術は,見て盗むもの。簡単に教えて下さいと言うな。」

というのが富川先生の持論で,先生自身は,宮原先生から手取り足取り指導を受けるということは無かったそうです。

「人が大変な苦労をして得たものを たやすく手に入れようとするな。」

とも教えられましたが,富川先生から直接手ほどき,指導を受けられる貴重な日でした。講習会の手伝いに,奉仕で出掛けていた者に与えられた特権?

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施術手技を学ぶ 2

元記事:アメブロ2017-12-03 09:23:29

 スジは,どこにあってどんな感触なのか。

 宮原先生は,スジを説明するときに,筋肉の名称などの解剖学用語をほとんど使用されませんでした。もちろん,解剖学の書籍に「運動神経筋」という記述はありません。わたしは,筋肉や腱,靱帯,神経などの触診法の書籍を見ても,参考にならないと考えて,医学書を離れ,自分自身の大腿部や上腕部で,スジらしき手応えを感じながら,「感触の立体地図」を作るつもりで探っていました。

 初めは,よく分からなかったのですが,月日が経つ中に,指を深いところへ入れる事が出来るようになっていきました。

 大腿部を例に取ると,初めから脚の付け根を探るのではなく,大腿の中間部でスジらしき感触があったら,それを脚の付け根方向に辿っていきます。すると,輪郭がぼんやりして,スジを辿ることが難しくなるので,その辺りで,スジに対して横方向に指を大きく動かすようにしていると,少し指が入りやすくなっていくのです。スジを揉むのではなく,横方向に弾くような要領です。

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薬を止める

元記事:アメブロ2017-12-02 16:01:25

 わたしが新日本延命学と出会うきっかけは,持病があったからです。京都大学付属病院と第一日赤病院で,共に重症筋無力症と診断され,生涯,服薬が必要といわれていました。そのことを気に掛けてくれていた伯母の紹介で,富川先生と出会うことが出来たのです。

 富川先生は,平易な言葉で核心を突くことを仰います。

「身体は,薬で動いてるんじゃないやろ。」

 先生の施術を受け,新日本延命学について学び,自分の身体で試している中に,持病を克服するために,新日本延命学を実践しようと思うようになりました。

 中学2年の時,もう薬は飲まないと決めて以来,持病の薬は飲んでいません。それまで,腹痛と下痢を繰り返していたので,下痢止めや整腸剤を服用する事が多かったのですが,それも止めました。乗り物酔いの予防薬も止めました。解熱鎮痛剤,咳止めなどの風邪薬も使わなくなりました。

 体調が悪いときには,薬を飲む前に,スジを緩めて様子を見る。

この原則を守っています。これまで40年以上の間,持病が悪化したことはありません。

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施術手技を学ぶ

元記事:アメブロ2017-12-01 21:28:03

 宮原先生が編み出した施術技法は,誰にも伝授されませんでしたが,その手技を「見て盗んだ」富川先生は,わたしにそれを伝えて下さいました。

 わたしが富川先生の施術を初めて受けたのは,小学5年生の頃でした。富川先生は,こどものわたしに,

「自分で出来ることは,自分でやりなさい。」

と 内側のスジを動かす(当時は球を外すと言っていた)事を指導されました。施術の際に,内側のスジに指を当てて,

「ここやで。この深さにあるから。」

という具合です。

 こども向けの図鑑さえ見たこともなく,解剖学の知識ゼロ。手指を使う方法は,直ぐに疲れてしまうので,野球のボールを使ったりしながら,富川先生に施術して頂いたときの感触(痛みでしたが)を頼りに,球の場所を探る日々でした。